マンションの大規模で悩みの種の一つになるのが、エレベーターの改修です。
かなり高額な費用がかかるエレベーター改修。まだ問題なく使えるマンションなら、尚更決断に迷ってしまいます。
しかし、機械も消耗品。長く使っていれば部品も劣化します。安全性は低下していってしまうのです。エレベータが故障すると、居住者に負担がかかったり、重大な事故につながる恐れがあります。
大規模修繕時にエレベーターのメンテナンスを行い、より長く、より安全に使えるようにしておきたいところです。
この記事ではエレベーターの改修基準、工事内容、費用などについて解説していきます。
目次
大規模修繕でエレベーターを交換する目安は25〜30年
エレベーターを修繕する期間の目安は、25〜30年が目安になります。大規模修繕の周期は12〜15年ですので、2回目以降の大規模修繕でエレベーターの修繕を行うことが多いです。
25〜30年というのは、日頃からメンテナンスを行なっている場合の数字です。雨にさらされたり、全くメンテナンスを行ったりしていない場合は、更に早く交換が必要になる場合もあります。
また、使っているエレベーターが生産されなくなった場合も、交換や改修が必要です。
使用中のエレベーターが生産されなくなると、部品の生産が止まります。エレベーターが故障した際、部品を仕入れることができなくなってしまうため、早めに新しいエレベーターに交換したいところです。
頑丈そうに見えるエレベーターですが、使っているうちに部品の劣化は進んでいきます。日頃のメンテナンスはもちろん、異音や異常が見られた際はすぐにでも対処するようにしましょう。
大規模修繕でエレベーターを交換・改修方法は3つある
大規模修繕でエレベーターを交換・改修する方法は3つあります。
エレベーターの交換・改修方法
- 全撤去
- 準撤去
- 制御改修
これらを順番に見ていきましょう。
全撤去
全撤去は今のエレベーターを撤去し、新しいエレベーターに入れ替える方法です。本体、付属部品、電気設備まであらゆる工事をするため、工期は1ヶ月ほどかかります。
工事中はかなりの作業音が出る上、エレベーターが使えなくなるので、事前の説明や周知が必須です。
エレベーターメーカーを変更したい、大規模修繕の資金が余剰にあるといった方は、視野に入れたい工事方法です。
準撤去
準撤去はエレベーターのカゴや扉などの付属品を交換する工事です。
全撤去とは違い、レールや枠などの交換がないので工期が2〜3週間と短くなり、騒音も少なくなります。
既存のレールに合わせたカゴや部品を用意するので、部品がない場合はオーダーすることになります。その場合は届くまでに少し時間がかかるので、大規模修繕が始まる前に確認しておきましょう。
マンションの大規模修繕では、多くの場合この準撤去が採用されます。
制御改修
制御改修はレールの制御盤や操作盤を交換・改修する工事です。劣化部品の交換を行うこともあります。
工事は3日〜1週間と短く、騒音もほとんどありません。費用も最も安いです。
エレベーターの機能を回復・改良させることができますが、コスパが悪いため、大規模修繕で制御改修だけを選択するマンションは少ないです。
大規模修繕でエレベーターを交換・改修する際の費用目安
大規模修繕でエレベーターを交換・改修する時に重要なのが「費用」。エレベーターの交換はかなり費用がかかるので、事前にコンサルタントなどに相談し、積立金で賄えるか確認しておきましょう。ここでは工事内容ごとの費用の目安を解説します。
工事内容 | 費用 | 工期 |
---|---|---|
全撤去 | 1,200〜1,500万円 | 1ヶ月〜1ヶ月半 |
準撤去 | 700〜1,000万円 | 2〜3週間 |
制御改修 | 400〜600万 | 3日〜1週間 |
工事内容によって、大きな差が出ます。殆どの大規模修繕では、全撤去か準撤去で行われます。エレベーターの工事は頻繁に行えないため、長期的に見て全撤去か準撤去の方がコスパが良くなるからです。
とはいえ、予算の都合もありますので、コンサルタントや管理会社に相談しながら検討していきましょう。
大規模修繕でエレベーター交換・改修の費用を抑えるコツ
大規模修繕では多額の費用がかかります。くわえてエレベーターとなると、予算をかなり圧迫する可能性があるでしょう。しかし、費用は少しでも抑えたいところ。最後に、費用を抑えるコツを解説します。
エレベーターの交換・改修をメンテナンスに特化した独立業者に依頼する
エレベーターの交換・改修は、エレベーターメンテナンスに特化した独立業者に依頼するのが理想的です。
「でも独立業者って何?どう探すの??」
そう思う方もいるかもしれません。大規模修繕中はただでさえ忙しく、複数の会社に見積もりを取りながら探すのは非常に手間がかかります。
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補助金を利用する
大規模修繕で使える補助金の中には、エレベーターの交換・回収に使えるものも存在します。
補助金は審査に通らなければなりませんが、支給されればかなり費用も安くなるので、申請しておきたいところです。
具体的な例としては、新宿区のエレベーター防災対策改修の補助金が挙げられます。
この補助金は運転装置やレールの安全対策費として支給されます。工事内容に応じて、最大95万円近く助成されるのです。修繕積立金が10,000円/戸の50戸マンションであれば、およそ2ヶ月分の修繕積立費が賄える計算です。
こういった補助金は地域によって内容が異なります。また申請者は施工会社になりますので、予め補助金の情報を確認しておき、施工会社と打ち合わせしておきましょう。
まとめ
この記事では大規模修繕で行われるエレベーターの交換・改修方法や費用について述べてきました。まとめると以下のようになります。
- エレベーターの寿命は25〜30年
- 交換・改修方法は3つある
- 全撤去
- 準撤去
- 制御改修
- 費用を抑えるポイントは2つ
- 独立業者に依頼する
- 補助金を利用する
エレベーターの交換・改修費用はかなり高額です。しかし、故障すると人命に関わるほど重要な設備でもあります。
「まだ使えるから大丈夫」
などと安易な考えをもたず、必ずメンテナンスを実施するようにしましょう。