「大規模修繕は義務なの?」「やらないと何か罰則がある?」
勘違いしている方も多いのですが、マンションの大規模修繕は義務ではありません。
あくまでも「任意」です。しかし、安全面や機能面から考えると「大規模修繕をしない」という選択肢はありません。
今回は、この辺りを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
目次
大規模修繕は義務ではなく任意
冒頭でもお伝えしましたが、大規模修繕は法律で「義務」と定められているわけではなく、あくまでも任意です。
しかし「じゃあやらなくてもいいのか」と考えるのはかなり危険。
その理由を、次で詳しく解説します。
大規模修繕を行わないと資産としての価値を失う
大規模修繕を行わなければ、マンションの居住性や安全性を維持できず。資産としての価値も失ってしまうこともあります。
とくに顕著なのが、水回りや外壁です。
例えば、防水機能の寿命は10年~20年程度。防水機能が失われると住戸に雨水が侵入してきます。
マンションの場合、雨水が室内に侵入すると管理組合に責任があるとされます。防水性能の保証期間であれば防水工事を行った業者に責任がありますが、保証期間外の場合は管理組合が有責です。
また、外壁の劣化にも注意しなければなりません。外壁の劣化が進むと、剥がれ落ちて地面に落下する可能性があります。
通行人にぶつかるなんてことがあると、管理組合にも責任が問われるでしょう。
大規模修繕を行うメリット
大規模修繕を行うメリットは
- マンションを快適な空間に維持する
- マンションの価値を維持する
- 必要に応じてグレードアップする
この大まかに分けた3つのメリットがある為大規模修繕が行われます。マンションの大規模修繕は法的な義務はありませんが、住民にとっては必要不可欠なものとなるのです。
大規模修繕のメリットについては、下記の記事でも詳しく解説していますので、更に知りたい方は、併せてご覧ください。
マンションのアスベスト調査は義務化されている
大規模修繕自体は義務ではありませんが、アスベストを使用している場合は、調査が義務付けられています。
アスベストが含まれている建物は数多く存在する可能性があります。施工年によっても含有量が変わりますが、最近まで使われていた傾向にあります。
特に2006年より前に建設された建物には多めに含まれている可能性が高いです。
その為、アスベストの調査を行い、場合によっては除去等の対策を行います。
アスベストの含有率は年代によって異なる
建物にアスベストが含まれていると言っても、年代によって含まれている量は異なります。現代ではほぼ含まれていないといっても良いでしょう。
1975年~1995年に建てられた建物ではアスベスト含有率が5%を超えてはならないという法律のもとに建設されました。現在で計算すると築約48年~築28年程度の建物です。
1995年~2006年ではアスベスト含有率は1%以内となっています。築約28年~築17年くらいの建物です。
2006年以降はアスベスト含有率0.1%と決まっており、ほとんど人体に影響がない数値まで落ちています。
アスベスト調査・除去には補助金が出る
義務化されたアスベスト調査には条件さえクリアすれば補助金が出ます。アスベスト調査をすべてマンションでの管理費でまかなう必要はないのです。
住んでいる自治体のマンションを管轄している部署で詳しく聞くことができます。
まとめ
劣化などを防ぐ為には大規模修繕を行うしかありません。必然的にマンション管理組合の義務のひとつということができるでしょう。
大規模修繕に法的な縛りはありませんが、実施しなければマンションには住むことができなくなってしまいます。
しっかりとした大規模修繕を行い、快適なマンションとを作っていきましょう。