大規模修繕のローンが心配な方へメリットと、上手な使い方を徹底解説!

大規模修繕で、修繕積立金が足りない場合には大規模修繕用のローンをする、という選択肢があります。

できればローンを組まずに、積み立てた修繕費用だけで済ませたい人が大半でしょう。

ただ、建物の長寿命化の為には大規模修繕は必須であり「お金がないからやりません」では済まないのが現実です。

今回は、そんなローンのメリットやデメリット、上手に利用する方法を解します。

大規模修繕でローンを組むメリット

まずは、大規模修繕費用をローンでまかなうメリットを紹介します。具体的には、下記2点です。

  1. 大規模修繕を先延ばしにしなくてよくなる
  2. 修繕積立金を一部残しておける

大規模修繕を先延ばしにしなくて良くなる

修繕の必要性があるのにも関わらず、予算不足の為に修繕の中止または先延ばしが発生することがあります。それでは安心した日々の生活を脅かす恐れもあるでしょう。

また、適正なタイミングで修繕を行わないと、かえって費用が高くつく場合もあります。

足りない分の費用をローンで賄えば、適切な時期で大規模修繕を行うことができ、安心した生活を送れます。

大規模修繕の適切な周期については、下記の記事で詳しく解説していますので、気になる方は参考にしてみてください。

 

修繕積立金を一部残しておける

大規模修繕予算を、積み立てているお金全て使用してしまうと手元にお金が残らない為、緊急で必要になった際に困ってしまいます。そのことを防ぐためにローンを活用し、現金を手元に残しておくメリットがあるのです。

大規模修繕ローンは大規模修繕を行う時しか申請できません。緊急でお金が必要となっても、ローンを組めないこともあります。

大規模修繕でローンを組むデメリット

大規模修繕をする際にローンを組むデメリットは以下のようなものがあります。

  1. 利子がかかる
  2. 次回の大規模修繕でも費用が不足しがち

 

利子がかかる

当然、大規模修繕のローンでも利子が発生します。返済時は利子分もあわせて返済していかなければなりません。

利子は金融会社や返済期間にもよりますが、0.5%~8%前後が相場。

余分なお金が出て行ってしまう、というデメリットもあります。

次回の大規模修繕でも予算不足しがち

月々の管理費が返済にまわるということは、修繕積立金が自然と貯まらなくなります。影響は次回の大規模修繕にも関わってくるのです。

大規模修繕で必要な予算は、回数を重ねるごとに増えていく為、より多くの積み立てを行分ければならりません。

そのため、住民から集める修繕積立費用の値上げの検討も必要です。

しかし、マンション所有者の負担が増えることで、住民からは否定的な意見もでるでしょう。管理費を値上げするには総会などで一定数の賛成を得なければならない為、高いハードルと言えます。

ローンの上手に利用するには大規模修繕内容の見直しから

大規模修繕の内容を全てフルスペックで実施すると予算も高くなってしまいます。また、本当に必要な修繕であるか否かを判別する必要があります。

大規模修繕では、本当に必要で最低限の修繕を行うことで予算を減らし、ローンを上手に使うことができるのです。

大規模修繕の為にマンションの建物診断を行う

マンションの本当に劣化している部分を洗い出すために劣化診断を行ってみてください。劣化診断は、建設業者やコンサルなどのプロに任せまることによって、正確な劣化診断を得ることができます。

劣化診断の結果、本当に劣化している部分に注力し修繕を行うようにしましょう。予定されていた修繕項目で、先延ばしにできることは先延ばしにしても問題ありません。

また、マンションの劣化診断では複数の業者に診断してもらうとより正確な結果が出ることが多いです。劣化診断のセカンドオピニオンとも言われていますが、積極的にセカンドオピニオンを実施してみましょう。

セカンドオピニオンの詳しい内容はこちらを参考にしてください。

 

材料などの品質を下げてみる

仕上げ材などで、現状使用している材料の同等品を修繕に使用すると予算が高くなる可能性もあります。使用材料の質を下げることにより総額で安くすることもできます。

また、メーカーなどを変更しても安くなることもあるのです。できるだけ安く修繕したいことを建設業者に伝え、品質変更や、メーカー変更などの検討をしてみてください。

修繕方法や工法を検討する

施工方法によっても金額が変更する場合があります。方法を変更すると当初予定していた内容より質が下がる可能性もありますが、最低限の内容であれば品質に問題はありません。

工法や方法の相談についても、建設業者に相談すると、より良い方法を模索してくれることが多いです。

助成金などを調べてみる

修繕の種類や箇所によっては自治体などから助成金が発生することがあります。この助成金は、条件さえ満たしていればクリアすることも多いので、必ず調べるようにしてください。

難しい場合には自治体のマンションを管轄している部署に相談をしに行くと丁寧に教えてもらえますので、オススメです。

まとめ

大規模修繕のローンは上手に利用できると、大変便利にマンションの維持管理ができ、長寿命化も大いに期待できます。

直近の大規模修繕をローンでクリアし、次回のための修繕積立金を検討することは現代において非常に重要なこととなります。

上手なローンを組み、よりよい大規模修繕にしましょう。