マンションの大規模修繕2回目では、寿命を迎える部分の修繕を行う必要があります。実際に壊れているものではなく近いうちに使用が困難になる前に修繕し対策を施す必要があるのです。
2回目の大規模修繕はおおよそ24年~30年程度の築年数が経過したマンションに対して行います。その頃の築年数の建物では、どのようなところが劣化し、修繕しなければならないのかも併せてご紹介していきます。
目次
マンションの大規模修繕2回目は1回目の継続部分も
初回の大規模修繕と同じことをすることもあります。
特に防水関連の修繕については1回目の大規模修繕とほぼ同じ内容と考えて良いでしょう。
金属部分の塗装などにつきましても、1回目と同じ考え方で問題ないでしょう。
マンション大規模改修1回目の記事にて防水関係の修繕事項を詳しく記載しています。
防水修繕サイクルの確認を
1回目の記事にて、防水修繕のタイミングについて記載しておりますが、2回目の大規模修繕時にも、保証期間や、前回の修繕タイミングを十分に調べてください。
1回目の大規模修繕より後に防水修繕を行っている場合には保証期間が残っている場合があります。保証期間が残っているうちに修繕をすると、サイクルが短くなる為費用対効果が減ってしまいます。
ただし、足場を用いて防水修繕をする工種、箇所においては保証期間が残っていても修繕することが好ましいです。保証期間の残りが次の大規模修繕予定よりも前に終了してしまう場合は検討しましょう。
足場の設置に多額の費用が発生してしまう為、少し早いタイミングでも修繕する方がコストパフォーマンスが高いです。
防水関係の修繕は手を抜かずしっかりと対応する
水分が建物内部に侵入すると、個人の資産を損失させるだけでなく、建物の劣化を助長することとなります。水漏れは悪い影響しか与えません。
その為、防水関係の修繕には手を抜かず、調査や修繕計画は入念に行いましょう。
2回目の大規模修繕では外壁や床の修繕を
一般的なマンションでは外壁や床面にタイルが使用されていることがあります。タイルが割れたりしていることがある為、張替えをすることとなるでしょう。
また、マンション内部の床はカーペットが使用されていたり、多少でも雨に濡れる箇所では塩ビ系の床材が使用されていることもありますが、汚れは損傷がひどいケースでは張替えを検討することとなります。
壁や床のタイルの張替えは全体修繕が理想だが予算も検討必須
理想は全体の張替えです。仕上材を全て新しい物に入れ替えれば新築同様な見栄えになることは間違いありません。
しかし、全面新品にしてしまうとかなりの金額になるので予算配分には注意しましょう。破損している部分のみの交換をすることにより予算を抑えることができます。
材料の種類は似ているものをチョイス
20年前以上に出来上がった建築物ですと、当時使用されていた仕上材料の場合、廃版になっている場合もあります。その場合は専門業者に一番似ている物をチョイスしてもらうようにしましょう。
エントランスなどの目立つところは全面修繕が好ましい
エントランスなどの外から見える部分については、その部分だけでも全体的に修繕したほうが好ましいでしょう。
似ている材料を使って補修したとしても、材料が異なる為に目立ってしまうことが多いからです。予算に応じて部分的にでも、一括修繕が好ましいです。
2回目の大規模修繕ではエレベーター修繕も
エレベーターの耐用年数は約25年前後とされています。その為、ちょうど2回目の大規模修繕で耐用年数のタイミングを迎えますので、修繕を検討しましょう。
劣化具合にもよりますが、修繕も方法も様々ですのであわせて紹介します。
理想的なエレベーターの修繕は全面交換
エレベーターを箱から機械まで全てリニューアルすることが一番安全で、その先も長く使用することができます。
また、最新のエレベーターでは省エネや省音の効果もある為、マンション全体としても暮らしやすくなるでしょう。
しかし、費用が1千万円以上発生し、場合によっては2千万円を超えてしまい、予算をかなり必要とする修繕方法と言えます。
ロープやロープに関係する機械を交換
メーカーによっても異なってきますが、ロープの交換は必ず行うことが望ましいでしょう。ロープや巻き上げ機械などのエレベーターを直接動かす物を修繕することによって安全性は格段に上がるからです。
また、全体リニューアルよりも大幅に予算を削減することができます。
機械機器のみの交換
エレベーターを制御している制御盤や、機器について交換する方法があります。この機器がエラーを起こせば、エレベーターの使用ができなくなる為です。
しかし、この場合は物理的な部分の安全性は解消されていない為ロープ修繕なども併せて検討しましょう。
エレベーター修繕は2回目の大規模修繕がオススメ
エレベーターの修繕は安全的な観点からも、日常の生活の観点からも2回目での修繕が好ましいです。
エレベーター修繕中は使用不可となります。1機しかない場合は階段での行き来になってしまいますので、高齢者にはかなり大変なこととなるでしょう。
3回目の大規模修繕では築年数と共に住人の高年齢化も必至ですので、できるだけ住民に苦労を掛けない方向で、早めの修繕を検討すると良いでしょう。
まとめ
築年数が20年を超えてくるとあらゆるところが寿命を迎え始めます。寿命を迎えてから対策を行うと時間もかかりますし、修理中に使えなくなるので注意が必要です。
ただし、1回目の大規模修繕よりも予算を多く要し、さらに3回目の大規模修繕の際も予算が発生することを念頭に置いて必要な箇所の修繕にとどめておきましょう。
専門家も導入し必要な修繕、不必要な修繕としっかり整理し、次の大規模修繕まで快適に暮らせるような修繕計画を行いましょう。