分譲マンションにお住いの方は12年から15年に1回、マンション大規模修繕を経験されることになります。
そもそも、大規模修繕の必要性に、疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、大規模修繕の必要性について徹底解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
大規模修繕が必要な理由1.美観の維持
マンションの美観を維持するためには、大規模修繕を行う必要があります。中には小規模・中規模な修繕を繰り返しているマンションも存在しますが、部分的な補修では美観を維持することは難しいです。
ここでは、美観を維持するためにも欠かせない大規模修繕の内容について詳しく解説します。
外壁の塗装
建物の目につく面積の大きさから、外壁塗装は美観を維持するために欠かせない工事です。外壁塗装を行うことで、遠くから見ると新築と遜色ない建物に生まれ変わります。
大規模修繕は外壁塗装がメインであると言っても過言ではありません。
また、外壁塗装には色が綺麗になって美観を維持すること以外の効果もあるのです。例えば、外壁塗装を行うことでマンションの躯体コンクリート部分を保護し、劣化を防ぐことに繋がります。
ちなみに、マンションの躯体コンクリート部分が劣化してしまうと、美観が大きく損なわれるとともに定期的なメンテナンスがされず管理の行き届いていないマンションであると判断されてしまいます。
鉄部の塗装
共用廊下部分では、鉄でできたドアや手摺などが多く採用されています。鉄部分が劣化すると錆が発生します。
錆は鉄の劣化として広く認識されているため、錆びている箇所があれば必要以上に傷んでみえてしまうのです。
鉄製のドアが錆びてしまうと開閉できなくなったり、変形してしまうこともあります。共用廊下部分は誰でも通れる場所ですので、マンションの美観を維持する上でも必要性の高いところです。
その共用廊下で、目を引きやすい鉄製のドアや手摺の修繕は必要性が高いと言えるでしょう。
共用廊下の床シート
大規模修繕において、共用廊下の床シート貼り替えは行うべき工事です。共用廊下の床シート貼り替えは、足場がなくても工事を行えることから予算不足の時に後回しにされがちです。ただ、外壁塗装を行い床シート貼り替えを行わなかったマンションでは、後悔する声が後を絶ちません。
なぜなら、外壁塗装を行うことで床シートの汚れが目立ってしまうからです。せっかく外壁を綺麗に塗り替えたのに、床が汚れていることで綺麗になった気がしないのです。
大きな費用の掛かる大規模修繕ですが、美観を維持する上で共用廊下の床シート貼り替えは後回しにせず、外壁塗装と同時に行うことをおすすめします。
大規模修繕が必要な理由2.安全面への配慮
大規模修繕が必要な理由の2つ目は、「安全面への配慮」。大規模修繕が、住民や第三者の安全を守ることに繋がるのです。
では、大規模修繕がどのように安全面に関わるのか解説します。
外壁の下地・タイル剥落防止
マンションの大規模修繕には、外壁の調査・診断が含まれています。外壁のモルタルやタイルを打診調査し、脱落・剥落しそうな箇所がないか診断していくのです。
この調査・診断結果に基づいて適切な修繕方法を選択することとなります。
外壁のモルタルやタイルの躯体への密着度が低下していると、揺れや風により脱落・剥落することがあります。脱落・剥落したモルタルやタイルが、住民や第三者にあたると大事故になるのです。
こういった事故を防ぐためにも、マンションなどの建物には「10年に1度の全面打診等による外壁の調査」が義務づけられています。
スチール手摺の脱落防止
マンションには、バルコニーや共用廊下に手摺が設けられています。築年数の経ったマンションでは鉄製の手摺が使われていることがあります。鉄製の手摺は、支柱部分が腐食すると折れて脱落してしまうのです。
手摺の腐食を防ぐためにも、大規模修繕での鉄部塗装が必要になります。また支柱はパイプになっているので中は空洞です。この空洞部分に樹脂を入れることで内部からの腐食を抑える工法もあります。寄りすがった手摺が折れて脱落する事故が起こらないためにも、必要性の高い工事です。
大規模修繕が必要な理由3.生活環境の改善
大規模修繕では、生活環境を改善する工事が行われる場合があります。居住者の家族構成や年齢層の変化によって生活環境を改善する工事も大規模修繕の必要性の1つです。
それでは、生活環境の改善に繋がる工事すべき場所を見ていきましょう。
エレベーター
エレベータ―の更新工事は、色々な面で生活環境が改善されます。
例えば、エレベーターの速度。これが上がると待ち時間を短縮することができるます。
急いでいるときには、エレベーターの待ち時間にストレスを感じる方も多いでしょう。無駄な時間を削ることに繋がりますので、生活環境の改善と言えます。
また、エレベーターに乗車している人が見えるようにモニターを設置したり、ペットとの同乗をさけるためのボタンを設けたりすることもできます。
エントランス
居住者の年齢が高くなると、エントランスにスロープを設置する工事も必要性が高いでしょう。スロープの設置と併せて、エントランスドアの自動ドア化を行うことで、高齢でも過ごしやすいマンションになります。
その他、エントランススペースに椅子を設置したり、床材を滑りにくい素材に変更することも大規模修繕と併せて行うことをおすすめします。
まとめ
今回は、大規模修繕の必要性について美観維持と安全面、生活環境の改善から見てきました。今回の記事のポイントをおさらいします。
- 大規模修繕のメイン工事である外壁塗装は必ず必要
- 古さを感じさせる鉄部塗装は大規模修繕で塗装すべき
- 床シート貼り替えを除外すると、後々後悔する
- 事故を未然に防ぐために、大規模修繕は必要
- 大規模修繕は生活環境も向上できる
大規模修繕は、美観を維持するため・安全面への配慮のため、さらには生活環境の改善のために必要性なものです。
大規模修繕を疎かにすることで、後々多額の費用負担に繋がる事例も少なくありません。マンションを所有している方にとっては、資産価値が落ちないことが重要と言えるでしょう。
周辺のマンションより需要が高いことこそ、資産価値の維持になるのです。
大規模修繕の必要性を理解し、定期的に行うことで管理の行き届いた安心してくらせるマンションであると認識され、市場価値も高まることでしょう。
この記事がマンション大規模修繕を考えている方にとって役に立ったのであれば幸いです。