「大規模修繕の助成金・補助金ってどんなものがあるの?」
「助成金・補助金の申請方法は?」
マンションの大規模修繕には、莫大な費用がかかります。大規模修繕にかかる費用の目安は、一棟あたりトータルで数千万円。
居住者から修繕積立金を徴収して支払う費用ですから、なるべく不足が生じたり、居住者の負担が増えないようにしたいところです。
そこで活用したいのが、大規模修繕を行う際に適用できる補助金。補助金には様々な種類や手続きの流れがありますので、この記事でご紹介していきます。
目次
大規模修繕の補助金とは
大規模修繕では、国や地方の自治体から補助金を受けられる場合があります。詳しく内容を見ていきましょう。
助成金と補助金
受け取れるお金には2つのタイプがあります。「助成金」と「補助金」です。
「助成金」は条件を満たせば、誰でも給付を受けられます。一方、「補助金」には審査があります。期間や枠にも限りがありますので、募集条件を満たした上で応募しても、申請が通らない場合があります。
どちらも返済義務がないものですので、積極的に活用していきたいところです。
助成金と補助金の申請方法は?
申請方法には一般的な流れがあります。
申請の流れ
1.公募開始
2.応募書類の提出
3.助成・補助の決定通知
4.工事の発注
5.完了報告書の提出
6.条件を満たしているか審査
7.審査が通れば口座への振込
このような流れになります。大規模修繕であれば、申請するのは施工業者ですが、コンサルタントが代行して提出する場合が多いです。
申請時には建物の登記簿謄本や見積もりを要求される場合もあります。あらかじめ制度の内容をチェックし、準備しておきましょう。
大規模修繕に使える助成金・補助金の例
大規模修繕の助成金・補助金の対象は「耐震」「バリアフリー化」「防水」「塗装」「防災」などが一般的です。国・地方自治体・団体によって内容が異なりますので、公募されている中からいくつか代表例をご紹介します。
補助金・助成金の種類 | 対象 | 助成金額 |
---|---|---|
共用部分改修費用補助・助成制度(東京都) | マンションの共用部分における修繕工事・防災対策工事 | 工事費の5〜10% |
劣化診断補助事業(神奈川) | 建物の状況調査時 | 上限20万円 |
防音工事助成制度(東京都) | 防音工事の実施時(条件あり) | 工事費の約75% |
補助金・助成金以外に受けられる支援
大規模修繕で支援を受けられるのは、補助金や助成金だけではありません。他にも様々な支援制度がありますので、最後にこちらをみてみましょう。
マンション管理アドバイザー制度
こちらの制度は管理組合の運営や管理をサポートするものです。派遣されるのはマンション管理士と呼ばれる専門家です。
講義を受けたり、実際に相談に乗ってもらったりすることができます。料金がかかりますが、マンションの管理方法、委託業者の選定、長期修繕計画の作成など、幅広く相談に乗ってもらえますので、積極的に活用していきましょう。
マンション建替え・改修アドバイザー制度
こちらは建替えや修繕・改修に関するアドバイザーを派遣してくれる制度です。
建替や費用に関するアドバイスの他、検討書と呼ばれるマンションの概況を作成して、現在の状況や今後かかるであろう費用に関してアドバイスしてもらうこともできます。
この制度も料金がかかりますが、専門家のアドバイスを受けながら修繕などの準備を進めることで、時短や知識の習得に繋がります。
大規模修繕の補助金によくある質問
補助金・助成金の制度に関してよくある質問は以下の通りです。
Q.手続きは面倒?
手続きは書類を揃える手間があり、少し面倒な部分もありますが、絶対に手続きしたほうがいいです。
大体の書類は市役所やウェブで手に入るものばかりです。記入についても、分からないことがあれば市役所やコンサルタントに問い合わせてみるのもいいでしょう。
Q.手続きにどのくらい時間がかかる?
公募〜通知決定までは1ヶ月〜2ヶ月ほどかかります。
申請者が行うのは書類を準備することだけですが、書類の種類も多岐に渡ります。公募開始の1週間までには準備を終え、提出書類の不備がないようにしておきましょう。
審査などにも時間を要しますので、大規模修繕の計画を立てる際、助成金や補助金の応募期間も視野に入れる必要があります。
Q.審査は厳しい?
書類の不備がなければ、基本的に審査は通ります。
応募期間が短い、先着順、予算の枠組みが決まっているなど、申請条件が厳しいことの方が多いでしょう。
まとめ
この記事では大規模修繕で使える助成金・補助金についてご紹介してきました。まとめると
- 大規模修繕には助成金・補助金という国や自治体から費用を支援してもらえる制度がある
- 助成金・補助金の内容は国や地方自治体によって大きく異なる
- 助成金・補助金以外にも、大規模修繕に関する支援を受けれる制度がある
以上になります。記事の中でも触れていますが、大規模修繕は莫大な費用がかかります。居住者から徴収した修繕積立費が「足りない」では、修繕も居住者の対応もうまくいくはずがありません。
こういった制度を活用し、少しでも修繕費用を抑えられるようにしましょう。また、申請までには時間がかかるので、日頃から管理会社やコンサルタントに、こういった制度がないか相談しておく必要もあります。
余裕を持って申請できるよう、日頃からこまめに助成金や補助金の制度について調べておくと良いでしょう。