住民が日常の生活を続ける中行われるマンションの大規模修繕。住民の過ごし方に何か変化はあるのでしょうか。
今回は、マンション大規模修繕工事中の過ごし方の変化や注意すべき点を詳しく解説していきます。ぜひ最後までご覧ください。
目次
大規模修繕が始まると普段通りに過ごすことは難しい!?
マンションにお住いの方は、12年から15年を目途に大規模修繕の時期がやってきます。大規模修繕中の過ごし方が不安な方も多いのではないでしょうか。結論から言うと大規模修繕中は、普段と全く同じように生活を送ることは難しいです。
なぜなら、大規模修繕が始まると居住者側がやらなければいけないことがあったり、制限されることがあるからです。ただし、気をつけるべきポイントを抑えておくことで工事中のストレスを軽減することができます。ここでは大規模修繕工事中の過ごし方について徹底解説していきます。
大規模修繕中の過ごし方の変化
大規模修繕中は、普段と過ごし方が変わります。なぜなら、大規模修繕工事は住民が住んだまま工事を行う特殊な建設工事だからです。どう変化するのかをそれぞれ見ていきましょう。
バルコニーの片付け
大規模修繕工事はバルコニーの工事を行いますので、バルコニーに置いている荷物や植物を片付けなくてはなりません。バルコニーはマンションの共用部にあたります。バルコニーには専用使用権がありますので、日常において使用することは問題ありません。ただし、大規模修繕工事が始まると専用使用権を持っている住民が片付ける必要があります。
バルコニーに置いていたものを室内に入れておくことになるのです。大規模修繕の時期に差し掛かったら、早めにバルコニーの片付けを開始しましょう。
網戸の取り外し
バルコニーでの工事が始まると、業者から網戸の取り外しを求められます。これは、網戸ついている窓回りのシーリング工事や塗装工事を行うためです。網戸には脱落防止ストッパーがついており、内側からしか脱落防止ストッパーを取り外すことができません。
網戸を取り外していないと、工事が進まないこともありますので注意しましょう。自分で取り外すことができない場合は、業者に依頼してください。
立ち会いへの協力
稀に、業者が室内に入って行う工事があります。それはエアコンのホースを延長するための工事や、玄関ドアの枠を塗装する工事です。これらの工事を行う為には、立ち会いが必要となります。業者が、事前に立ち会い可能な日を調整してくれますので、都合の良い日でお願いしましょう。
バルコニーでの洗濯物干しを控える
大規模修繕工事には、バルコニーを使うことが出来ない日があります。特に外壁塗装を行う1週間から10日間は窓を開けることもできません。この間は洗濯物を室内に干したり、コインランドリーに持っていくなどの工夫が必要です。
騒音の影響
足場組立や下地補修工事を行うときに、騒音が発生します。足場組立の音は、窓を閉めておくことである程度の対策ができますが、下地補修工事でコンクリートを削ったり、切ったりする音は室内中に響き渡ります。コンクリートを伝わる振動音は、遠くの部屋を工事しているときも響いてくることがあるのです。
粉じん・ほこりの飛散
大規模修繕で行う工事の中には、粉じんやほこりが発生するものがあります。特に下地補修工事では、コンクリートを削ったときの粉じんが舞い散ります。粉じんの発生する工事のあるときは、洗濯物干しを控えるようにしましょう。
臭気の発生
塗装材料や防水材料には、独特のにおいがあります。中には油性塗料と呼ばれるシンナー臭のするものもあるのです。臭気の感じ方は人によって違います。臭いと感じる以外に体調に異変が起これば、直ちにその場を離れ深てください。その後、業者の現場担当者に連絡し対応してもらいましょう。
住民が普段通りの過ごし方をできるように管理組合がやるべきこと
大規模修繕工事が行われるにあたり、管理組合としてやるべきことがいくつかあります。居住者が工事期間中、普段通り過ごせるように行う取り組みについて解説していきます。
近隣への挨拶
工事が始まるまでに近隣に挨拶回りに行きましょう。マンション大規模修繕は大掛かりな工事となりますので、近隣への影響も大きいのです。近隣からのクレームにより工事がストップしてしまう事例もあります。工事がストップすれば工期が伸びてしまいますので、近隣への配慮を忘れないようにしましょう。
業者との打ち合わせ
工事が始まると管理組合の役員は、工事の進み具合を確認したり、居住者から寄せられたクレーム対策を行うための定例会に出席しなければなりません。この定例会は、おおよそ月に1回のペースで開催されます。工事を進めていく中で決断すべきこともありますので重要な役目です。
大規模修繕工事中に特に気をつけるポイント
大規模修繕が始まると、特に気をつけるべきポイントが3つあります。それぞれのポイントについて見ていきましょう。
共用廊下の通行時
共用廊下側の塗装工事が始まると、服にペンキが付かないように注意してください。特に冬場のダウンジャケット・コートなどは、予想以上にふわっとしていて壁に接触します。服にペンキが付着するとほとんどの場合、取れません。
換気の方法
大規模修繕では、油性の塗料が使われる部分があります。油性塗料はシンナー臭が発生しますので直接吸引しないように注意が必要です。外部で作業が行われているときに、室内の換気扇を回してしまうと室内が負圧になり少しの隙間から空気が流入してきます。その際に、シンナー臭のする臭気も一緒に入ってくるのです。
防犯面
高層階に住んでいると、窓を開けたまま外出することがあります。大規模修繕工事中は絶対にやめてください。外部に仮設足場がある以上、簡単に出入りできてしまうのです。大規模修繕工事中はマンション一体となって防犯意識の高さをアピールすることで、空き巣被害を防げます。
まとめ
今回は、大規模修繕中の過ごし方について解説しました。最後に、この記事のポイントをおさらいします。
- 大規模修繕中は過ごし方が変化する
- 困ったときは業者に相談する
- 普段より気をつけて生活する