アパート大規模修繕工事を行う時期は?費用相場も徹底解説!

「所有しているアパートが傷んできた。そろそろ大規模修繕をした方がいい?費用はいくらかかる?」

今回はそんなお悩みをかかえるアパートオーナー様に向けて、大規模修繕をする時期の目安や費用相場を解説します。大規模修繕を行うことによるメリットについても説明しますので、ぜひ最後までご覧ください。

アパート大規模修繕の費用相場は?

まずは、アパート大規模修繕にかかる費用の目安を解説します。ただし、アパートの規模によって費用は大きく異なるので、ここで紹介するのは戸数あたりの費用相場です。

70万円/戸〜100万円/戸が相場

アパート大規模修繕工事の費用相場は、1戸あたり70万円から100万円です。

例えば、15戸部屋があるアパートであれば、1,050万円〜1,500万円が相場だということ。

もちろん工事内容や工事範囲によって変わりますが、業者から見積もりを取る際の目安として参考にしてみてください。

 

アパートの大規模修繕を始める時期(周期)目安は集客力次第

マンションであれば、12年を周期に大規模修繕が推奨されていますが、アパートの大規模修繕を始める時期目安はその集客力次第です。

例えば、駅に近い立地など集客力のあるアパートであれば、多少見た目が古くても集客力は落ちにくいです。そのため、修繕を行う周期を多少遅めてもいいでしょう。

また、大きな幹線道路沿いにある塗装仕上げのアパートは、排気ガスの影響で外壁が早く劣化します。

一方で、集客力が悪く入居率が低いアパートは、入居率を上げるために早めに大規模修繕を行うなど、工夫が必要です。

 

 

アパートを大規模修繕工事するメリット

アパートの大規模修繕工事を行うメリットは、下記3点です。

  • アパートの寿命を延ばす
  • 入居率の向上
  • 賃料の値上げ

具体的にどういったメリットなのか、順番に解説します。

メリット1.アパートの寿命を延ばす

定期的に大規模修繕を行うことにより、アパートの劣化を防ぐことができて、寿命を延ばすことができます。

多くのアパートの外壁に利用されている素材は、タイルやモルタルです。

タイルやモルタルは、雨や紫外線により年数と共に劣化していきますので、定期的な修繕を怠ると壁の中の建材にまで影響を及ぼして、寿命を縮めてしまいます。

業者に検診を依頼して、必要なタイミングで修繕を行いアパートの寿命を伸ばしましょう。

メリット2.入居率の向上

大規模修繕を行い、住居環境を改善したり景観を整えたりすることで、入居率の向上を図れます。

反対に大規模修繕工事が行われていないアパートは、劣化が速まり、入居者の不満が膨らむことで、入居者離れが増えて入居者が落ちてしまうかもしれません。

また、大規模修繕工事が行われていない建物は、傷みが目立ってきます。つまり、美観が損なわれていくということです。

美観がある程度保たれていなければ、新しい入居者も集まりません。空室は増える一方。このような負のスパイラルに陥る前に、大規模修繕工事を行う必要があるということです。

メリット3.賃料の値上げ

大規模修繕を行うことで、外観を綺麗にしたり住居設備を充実させることで、築年数が経ったアパートでも賃料の値上げや据え置きを行えます。

アパート経営において、賃料は収入の要。

定期的な大規模修繕を行なって、賃料の値崩れを防ぎましょう。

大規模修繕工事を行わなければどうなる?

アパートの大規模修繕工事には、多額の費用が必要です。大家さんの立場から考えると、なるべく費用を押さえたいのではないでしょうか。

実際に現状問題がないことから、適齢期を迎えても、大規模修繕工事を行われない大家さんも居られます。しかし、大規模修繕工事を行わないことで将来的に損してしまう場合があります。

第三者に危害を及ぼす危険がある

近年、アパートやマンションの外壁材落下事故が大きく取り上げられています。外壁材落下により第三者を傷つけてしまった場合、大家さんに責任が生じる場合があります。

民法709条で不法行為に対して次のように定められているからです。「故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者はこれによって生じた損害を賠償する責任を負う。(民法709条)」

あわせて、建築基準法第8条では、「管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない。(建築基準法第8条)」と定められています。

このことから、アパートの外壁材が落下し第三者に危害を与えた場合、大家さんに責任が生じる場合があるのです。事故に繋がってしまう前に、大規模修繕工事を行わなければなりません。

まとめ

アパートでも大規模修繕工事は、いつかは行わなければなりません。適切な大規模修繕工事時期を、正直にアドバイスしてくれる業者(=建物の掛かりつけ医)を見つけましょう。

そうすることで、相見積りをとったり選定に思案したり、無駄な時間がなくなります。信頼できる業者を早めに見つけ、長期的な修繕計画を一緒に作成してください。それがアパートの大規模修繕工事を成功させる近道です。