マンションの大規模修繕でよくある5つのトラブル|対策もセットで解説

マンションの大規模修繕でよくある5つのトラブル|対策もセットで解説

2023年2月23日

マンションの大規模修繕ではトラブルが少なくありません。なぜなら、マンションの大規模修繕は住民や管理組合、施工業社など、多くの人が関わる長期のプロジェクトだからです。

とはいえ、大規模修繕は多くの予算がかかるプロジェクトなだけに、できることならトラブルは避けたいもの。

そこで今回は、マンションの大規模修繕でよくあるトラブルを紹介します。トラブルを未然に防ぐ対策もセットで紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

マンションの大規模修繕でよくあるトラブル

ではさっそく、マンションの大規模修繕でよくあるトラブルを紹介します。今回紹介するのは下記の5つです。

それぞれ順番に、対策とセットで分かりやすく解説します。

トラブル1.足場から室内を覗かれている気がする

マンションの大規模修繕では、外壁の修繕などのために足場をかけて高所作業をします。その時に、「作業員に部屋の中を覗かれている」と感じることがあるようです。

実際には作業員が部屋の中をまじまじと覗き込むようなことはありませんが、窓のすぐ近くに人がいるとどうしても視線を感じてしまいます。

とはいえ、マンションの大規模修繕において足場は必須です。では、どうすればいいのか。次で対策を解説します。

対策:いつどこのエリアを工事するか住民に事前に伝える

部屋を覗かれている気がするトラブルへの対策は、「いつどこのエリアを工事するか」住民に周知しておくことです。

例えば、「〇月日に4階の401号室~6階の610号室のエリアを工事する為、カーテン等で内部を遮断してください」と、事前に周知しましょう。

そうすれば、自分の部屋付近に作業員がいる時はカーテンを閉めて部屋の中が見えないようにしておくことができます。

なお、住民へ正確な工程を周知するためには施工業社との入念な打ち合わせが必要です。天候などの影響で予定していた工程がずれこむ場合は、改めて周知することも徹底してください。

 

トラブル2.工事の騒音

 大規模改修等の工事では必ず発生する騒音。これが元でトラブルに発展することが多くあります。

音は人によって聞こえ方や感じ方が異なるので「少しくらい」、「大したことない」と過信はトラブルの元。

一度でも騒音を気にしてしまうと継続的に気になってしまうので、大規模修繕が終わるまでトラブルが続くこともあります。

対策:音が鳴る日時や種類を明記し周知する

音が発生する作業がある時は、あらかじめ告知をしておきましょう

この場合は、「〇月日~〇月日で2階・3階でΑB工事が行われ、削り音、打撃音が発生します。」など、具体的な工事範囲、内容及びどの様な音が発生するのかを明記することによって住民へ意識付けをすることができます。

 

トラブル3.マンション共用部に私物の残置

廊下やエントランス等の大規模修繕時に住民の私物が残置されていると、作業が滞ってしまうことがあります。

本来、共用部で許可されている箇所以外は原則として個人の所有物を置いてはいけないのですが…守られているマンションは少ないのが現状です。

特に、玄関前の廊下やベランダ、バルコニーは注意が必要。この3箇所は共有部にあたるのですが「専用使用権」が与えられている場合が多いので、自分の敷地だと思い普段から私物を置いている人が多くいます。

ベランダやバルコニーの床防水修繕や外壁修繕を行う際、動かすことが困難な私物が置いてあると、思うように作業が進みません。

対策:作業が始まる前に私物をどかすように依頼する

マンション共有部に置いてある私物は、作業が始まる前にかならずどかしてもらうように依頼しましょう。掲示板や回覧板を使うのが有効です。

実際に修繕作業が始まる前には、共有部に私物が置いてないかチェックすることもかかせません。持ち主が分からない残地物は、管理組合で撤去するか一時的に回収することを告知しましょう。

本来は、共有部に私物を置くことは禁じられています。これを機に大規模修繕が完了した後も共有部に私物は置かないように徹底してください。

 

トラブル4.駐車場・駐輪場に車両が残っている

駐車場・駐輪場の修繕を行う際、車や自転車が残っていると工事を行えません。

予定通り工事が進まないと、その後の工程が大きく変わってしまいます。そうならないように、しっかりと対策を講じておきましょう。

対策:仮設駐車場・駐輪場を用意して地図付きで周知する

駐車場・駐輪場の作業を行う1ヶ月以上前に、張り紙や回覧板を使って周知しておきましょう。この時、一時的に車や自転車を停めてもらう仮設駐車場・駐輪場を決めておき、地図付きで知らせるようにしてください。

ただし、車に直接張り紙を貼ってしまうと、器物破損等の大きなトラブルに発展しかねませんので絶対に行わないようにしましょう。

 

トラブル5.不審者が紛れ込む

稀にではありますが、工事の関係者を装いマンション敷地内に入り込むトラブルが発生しています。修繕工事の関係者は数多くいる為、見分けがつかなくなることがあり、その隙を狙われないように十分注意してください。

また、大規模修繕のために組んだ足場を経路に、不審者が部屋に侵入して窃盗事件が起きるケースも報告されています。

対策:一目で工事関係者と分かる目印をつけてもらう

修繕工事関係者には共通の腕章等、目印になる物をあらかじめつけてもらうと一目で分かります。この腕章は、あらかじめ住民の方々へも周知し、誰でも見分けがつけられるとより効果的です。

また、個人宅への訪問は原則しないようにしてください。工事関係者単独での個人宅への訪問をいかなる場合でも禁止し、必要な場合は管理人や理事会関係者と同行させることを徹底。

このことは、掲示板や回覧板で告知し、事前の説明事項でも住民に周知してください。もしも単独で訪問してきた「自称工事関係者」には対応しないように呼びかけましょう。

 

マンション大規模修繕のトラブルを回避するには事前の周知が重要

ここまで、マンションを大規模修繕する際によくあるトラブルと対策について解説しました。トラブルは様々ですが、対策はどれも事前に周知することです。

管理組合が指揮を執って、漏れの無いように周知を行いましょう。

 

事前の周知は複数の手段で行う

事前の周知を行う際、必ず複数の手段で行ってください。

例えば、回覧板は中身をよく読まずに次に回す人もいますし、張り紙に気づかない人もいるかもしれません。全員に周知が行き渡るように、総会を開催や共通のチャットグループを利用するなど、複数の手段で周知を行なってください。

 

まとめ

今回は、マンションを大規模修繕する際のトラブルについて詳しく解説しました。計画段階から数年かけて行うこともあるマンションの大規模修繕には、避けられないトラブルもあるかもしれません。

しかし、事前に起こるトラブルを想定しておくことは非常に重要です。

管理組合に属している人にとっては大変かもしれませんが「大規模修繕が始まるのはまだまだ先だから」と考えずに、計画段階から入念な打ち合わせを行ないましょう。